巨額赤字からの脱却とV字回復への道筋
住友化学の株価が上昇基調にある最大の理由は、2024年度を底とした業績の劇的な改善期待にある。
住友化学は2023年度に過去最大となる数千億円規模の最終赤字を計上した。
しかし、足元では医薬品事業や石油化学事業における不採算部門の整理が急ピッチで進んでいる。
投資家は最悪期を脱したと判断し、先行きの利益成長を買い材料視している。
構造改革「短期集中プラン」の進展
住友化学の岩田圭一社長が打ち出した「短期集中プラン」の実効性が評価されている。
住友化学は有利子負債の削減とキャッシュフローの改善を最優先課題に掲げた。
具体的には、約30の事業について売却や撤退、縮小を検討し、すでに複数の案件で進展が見られる。
コスト削減による固定費の圧縮が利益率の向上に直結するとの見方が強まっている。
ラツーダの特許切れ問題を乗り越える新薬の台頭
住友化学の連結子会社である住友ファーマが抱えていた「ラツーダの崖」という大きな懸念材料に整理がついた。
主力製品の特許切れによる収益減少は深刻だったが、住友ファーマにおける人員削減や研究開発費の最適化によって、赤字幅の縮小に目処が立ちつつある。
さらに、住友化学本体が手掛ける情報電子化学部門において、次世代ディスプレイ材料や半導体関連材料の需要が回復していることも追い風となっている。
資産売却による財務体質の健全化
住友化学は保有する政策保有株式や不動産、さらには周辺事業の売却を加速させている。
これにより、悪化していた自己資本比率の回復と、利払い負担の軽減が期待できる。
財務基盤の安定化は、配当の復元や将来的な成長投資への余力につながる。
マーケットは、住友化学が「持たざる経営」へ舵を切ったことをポジティブに捉えている。
サウジラービグの損失リスク低減
長年の懸念材料であったサウジアラビアの巨大プロジェクト、ラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカルの経営再建に道筋が見え始めた。
住友化学はサウジアラムコと協力し、ラービグへの金融支援や事業効率化を進めている。
この巨額の持ち分法投資損失が縮小に向かうことで、住友化学全体の連結業績が押し上げられる公算が大きい。
海外事業の不透明感が払拭されつつあることが、株価のバリュエーションを押し上げる要因となっている。
住友化学 株価の口コミ
過去最悪の決算を出した時はどうなるかと思ったが、構造改革のスピード感が予想以上に早い。岩田社長の本気度を感じるし、底打ち感が出てきたので買い増した。
住友化学は配当利回りが魅力だったが、無配転落で一時は絶望した。ただ、事業売却でキャッシュを確保する動きを見て、復配への期待が膨らんでいる。
半導体材料などの高付加価値製品に注力する姿勢が明確になった。汎用化学品からの脱却が進めば、住友化学の利益構造はもっと強固になるはずだ。
サウジラービグの問題にようやくメスが入ったのが大きい。これまではこの爆弾のせいで買えなかったが、リスクが限定的になった今なら長期保有できる。
医薬品事業のリストラが順調に進んでいるのが好印象。住友ファーマの重荷が取れれば、住友化学本体の稼ぐ力が素直に評価される局面になるだろう。
