日本製鉄の株価の上昇理由|鉄鋼需要の回復と海外戦略の全貌

収益構造の抜本的な改革と国内拠点の再編

日本製鉄の株価が堅調な推移を見せている背景には、長年取り組んできた構造改革の成果が数字として表れ始めた点がある。

日本製鉄は国内の生産設備を休止し、高炉の数を削減することで、固定費の圧縮を徹底的に進めた。

需要に見合った生産体制を構築した結果、損益分岐点が下がり、以前よりも少ない販売量で利益を確保できる体質に変わった。

この筋肉質な経営体制への移行が、投資家からの信頼を集めている。

鋼材価格の改善とマージンの確保

原材料価格の高騰に対し、日本製鉄は製品価格への転嫁を迅速に進めた。

自動車メーカーや建設業界といった大口顧客との交渉において、原材料コストの上昇分を反映させる「紐付き価格」の是正に成功した。

これにより、鉄鋼スプレッドと呼ばれる原料価格と製品価格の差が拡大し、収益性が大幅に向上した。

インフレ局面においても利益を削られない価格支配力を示したことが、株価を押し上げる要因となった。

脱炭素社会に向けた「グリーンスチール」への投資

気候変動対策が急務となる中、日本製鉄は水素還元製鉄などの次世代技術に巨額の投資を行っている。

二酸化炭素の排出量を大幅に削減した「グリーンスチール」の供給体制を整えることは、将来的な市場シェアの維持に直結する。

環境負荷の低い鉄鋼製品は付加価値が高く、プレミアム価格での販売が期待できる。

サステナビリティを経営の核に据えた姿勢が、ESG投資を重視する機関投資家の資金を呼び込んでいる。

インドを中心とした海外市場での攻勢

日本製鉄は成長著しいインド市場での事業展開を加速させている。

現地の合弁会社を通じて生産能力を増強し、インフラ整備が進むインド国内の旺盛な鋼材需要を取り込む戦略だ。

人口減少が進む日本国内市場に依存せず、グローバルな成長を取り込む姿勢が明確になった。

北米での大型買収提案を含め、世界トップクラスの鉄鋼メーカーとしての地位を盤石にするための動きが、将来の成長期待を高めている。

高い配当利回りと株主還元の強化

利益水準の向上に伴い、日本製鉄は積極的な株主還元姿勢を打ち出している。

配当金の増額や、連結配当性向の目標設定により、投資家にとってのインカムゲインの魅力が高まった。

割安な株価指標であるPBR(株価純資産倍率)の改善を意識した経営が、市場で好感されている。

安定したキャッシュフローを背景にした還元策の継続性が、下値を支える安心感を生んでいる。

日本製鉄の株価の口コミ

原材料高を製品価格に転嫁できるようになったのは大きい。日本製鉄の交渉力の強さを改めて感じた。

インド市場への投資が将来的にどれだけの利益を生むか楽しみだ。国内だけでなく世界で戦える企業だと思う。

脱炭素化への対応はコストがかかるが、先行して投資している日本製鉄には先行者利益があるはずだ。

これだけの高配当銘柄はなかなか見当たらない。業績も安定してきているので、長期で保有する価値がある。

USスチールの買収問題など不透明な部分もあるが、世界シェアを取りに行く姿勢が株価に反映されている。