資本効率の劇的な改善とPBR1倍超えへの執念
野村證券の株価が堅調に推移している最大の理由は、経営陣が掲げる資本効率の向上策が市場に評価されている点にある。
長らく課題とされてきた「資本コストを上回る利益の創出」に対し、野村證券は徹底したコスト削減と収益構造の転換を断行している。
特にPBR(株価純資産倍率)1倍割れという不名誉な状況を打破するため、積極的な自己株買いや配当性向の引き上げといった株主還元策を矢継ぎ早に打ち出した。
これが投資家の安心感を呼び、割安放置されていた野村證券の株式に買い戻しの動きを加速させた。
リテール部門の劇的な黒字体質化
野村證券の伝統的な強みであるリテール部門、いわゆる対面営業の現場が大きく変貌を遂げている。
かつての「預かり資産の回転売買による手数料稼ぎ」から、顧客の資産残高に応じて収益を得る「ストック型ビジネス」への移行が成功しつつある。
新NISA制度の開始に伴い、個人の投資余力が拡大する中で、野村證券のコンサルティング能力が改めて見直されている。
安定的な管理報酬が増加したことで、相場の変動に左右されにくい強固な収益基盤が構築され、将来の利益予測が立てやすくなったことが株価を支えている。
ホールセール部門における海外戦略の選別と集中
野村證券の株価を抑制する要因となっていた海外事業の赤字リスクが、戦略の「選択と集中」によって劇的に軽減された。
野村證券は米州や欧州での投資銀行業務において、不採算部門を大胆に整理し、得意とするアドバイザリー業務や特定の金融商品へリソースを集中させている。
過度なリスクを取る自己売買を抑制し、手数料ビジネスに特化する姿勢が、格付け機関や海外投資家からの信頼回復に繋がった。
グローバルな金融市場が不安定な時期であっても、野村證券のホールセール部門が底堅い利益を計上できるようになったことは、市場にとって大きなサプライズとなった。
国内企業のM&A活発化と投資銀行部門の躍進
日本国内で加速する事業承継や業界再編、さらには企業の資本効率改善に向けた動きが、野村證券の投資銀行部門に追い風となっている。
日本企業による海外企業の買収や、アクティビスト対応を含めた防衛策の策定など、高度な専門性を要する案件において野村證券のシェアは圧倒的だ。
大型のIPO(新規株式公開)案件の主幹事を着実に確保し、企業価値を高めるための財務アドバイスを提供することで、野村證券は巨額の手数料収益を得ている。
日本企業の構造改革が進む限り、野村證券の活躍の場は広がり続けるという期待が株価の上昇圧力となっている。
野村證券の株価の口コミ
新NISAが追い風。野村證券は富裕層に強いから、結局のところ一番恩恵を受けるのはここだと思う。
自社株買いの姿勢が昔より積極的になった。株主を意識した経営に変わったことが株価チャートにも表れている。
一時期の海外事業の迷走から抜け出した感じがある。選択と集中がようやく実を結んできた印象だ。
国内のM&A案件が増えているので、野村證券の投資銀行部門の稼ぎには期待している。実績が違う。
PBR1倍割れ解消に向けた強い意志を感じる。配当も安定しているし、長期で保有する価値が出てきた。
